ビジネスに使える「哲学の考え方」 考え方によって人は何倍も進化する
ビジネスマンに哲学?
哲学というと、ソクラテスや、プラトン、ヘーゲルなど大昔の人がやっていたことで、堅苦しいイメージです。そのような哲学がビジネスに使えるのです。
今回はこの哲学について説明していきます。
そもそも哲学ってなに?
てつがく【哲学】
①世界や人間についての知恵・原理を探究する学問。もと臆見や迷妄を超えた真理認識の学問一般をさしたが、次第に個別諸科学が独立し、通常これらと区別される。存在論(形而上学)、認識論(論理学)、実践論(倫理学)、感性論(美学)などの部門をもつ。②自分自身の経験などから得られた基本的な考え。人生観。 「社長の経営術には一つの-がある」 〔西周にしあまねの造語。初め英語 philosophy の訳語として「理学」「窮理学」「希哲学」「希賢学」などとした。のちに「哲学」が定着。西周「百学連環」(1870~71年)にある。philosophy はギリシャ語 philosophia (知恵への愛・希求の意)に由来〕出典|三省堂大辞林 第三版
簡単にいうと、①原理を探求する学問②自分自身の経験などから得られた基本的な考え のことです。
哲学をビジネスにどう生かすのか?
哲学では、原理を探求するためにさまざまなツールを用いています。このツールをビジネスに使うのです。
哲学は原理を探求するための学問といいましたが、ビジネスにおいても原理を探求することが必要です。例えば、どんな事業であれば成功するのかを考えるときには、過去の事例や統計情報などから判断して成功するかどうかを見極めます。
よく使われるのが、帰納法です。
[帰納法の例]牛乳は液体だ。コーラは液体だ。つまり、飲み物は液体だ。
個別の事象から一般原則を導き出す手法です。
この帰納法を使って、何が成功する事業かを導きだすことができます。
このようにビジネスに活用できるツールが哲学にはあります。
このツールを紹介して行きます。
カテゴリー
物事分類することです。
分類には横の分類と、階層的な分類があります。
男女という横軸の分類に、年代という縦軸を加えれば、男女年代別でカテゴリーができます。
よくビジネスでは、もれなくダブりなく分類することが重要だと言われています。これはMECEと言われています。
分析という言葉にも分けるという字が含まれています。まずはカテゴリーをつかって物事を分けて考えてみましょう。
弁証法
弁証法は物事の矛盾を切り捨てることなく、矛盾の原因となるマイナスをプラスに変えることです。
例えば、都市部での家電量販店でのテレビ販売。テレビを買いたいけれど、持って帰れない。この矛盾を解決するのが、家庭への配送サービスです。
このように、物事の矛盾の原因となるマイナス部分をプラスに変えるのが、弁証法です。
帰納法
帰納法は、個別の事象からそれは何かを導き出す手法です。
先ほども出てきた例ですが、
[帰納法の例]
個別の事象:牛乳は液体だ。コーラは液体だ。
一般法則:飲み物は液体だ。
というものです。
ビジネスに置き換えて考えると、ソフトウェアメーカーのA社、B社、C社の利益率が高い。したがってソフトウェアメーカーの利益率は高いといえる。という結論にたどり着きます。
演繹法
演繹法は、一般原則からその個別の応用例を考える方法のことです。
[演繹法の例]
一般原則:日本では白や黒、グレーなどモノクロの色が好まれる。
個別の応用例:日本で発売予定のスマートフォンは、モノクロの色がよく売れるだろう。
このように、一般原則からその個別の応用例を考える方法が演繹法です。
イデア
イデアとは、目に見えているものは物事の本質の影に過ぎないというものです。
[イデアの例]
目に見えているもの:A社は売上と利益が低下しているということは商品が売れていないのではないか。
本質:実はA社の海外売上比率は90%を超えており、為替の影響で売上と利益が低迷していた。商品は前期より売れている。
運動として捉える
静止しているものを運動として捉えます。運動しているとは変化しているということです。
例えば、植物は一時的に見ると静止しているように見えます。しかし、ビデオカメラでその植物を撮り続けて、早送りで見ると植物の生長を見ることができます。
このように一見静止して見えるものでも、長いスパンで見ると動いていることがわかります。
地球の大陸移動も同じことが言えます。一見静止している大陸ですが、日々ゆっくりと動き続けています。
このように一見静止しているようなものも運動している、変化していると捉えることで新たなものが見えてきます。
[運動として捉える例]月は同じ周期で同じ距離を移動しているように見えます。しかし、月が運動していると捉えることで、月は地球に近づいているのでは?もしくはその逆で離れて行っているのは?と捉えることができます。これをもとに地球と月の距離を記録し、月が近づいているのか?離れているのか?を調査するきっかけにつながります。その調査がきっかけで、実は年々地球に近づいてきており、○○年後には地球に衝突するというのが分かればそれまでに地球から火星に移住するという考えを持つことができます。
これは極端な例ですが、同じようなことがビジネスでも絶対にあります。
今回紹介したものはごく一部です。ほかにも哲学のツールはあります。興味のある方は調べてみてください。